アフターバーンとは?
アフターバーン効果とは、運動終了後に人体に起こる現象を指します。
運動中、身体は機械的ストレスと代謝的ストレスにさらされます。
ストレスと聞くと良くないもののように聞こえるかもしれませんが、このストレスは実際は非常に良い影響を与えるものです。体にこのストレスに対する適応を強制し、その過程で体がより健康になり、より強い肉体を手に入れることができるからです。
私たちが運動した後の体では、どんな現象が起こっているでしょうか?
体は運動によって与えられたストレスから回復し、運動前の状態に戻すために
以下のようなことを行っています。
・体全体に貯蔵された酸素を補充する
・筋肉に蓄えられたATPとクレアチン(骨格筋や筋収縮にとって重要なエネルギー源)を補充する
・乳酸を分解・除去する
・栄養素とタンパク質を筋肉組織に輸送する
・筋肉組織に生じた機械的損傷を修復する
・筋グリコーゲン貯蔵量を再合成して補充する
そしてこれらのことを行うために、体がエネルギーを使用しているのです。
これは、運動中だけではなく、運動終了後もエネルギーの消費が続いていることを意味しています。(=アフターバーン)
アフターバーン効果の科学的分析
研究によると、アフターバーン効果は運動後約1時間でピークに達し、運動後72時間まで持続する傾向があることが示されています。(ただし、24~48時間が最も一般的です)
ただし、アフターバーン効果の大きさと持続時間は、以下の3つの要素によって大きく左右されます。
・実行しているエクササイズの種類
・トレーニングの強度
・トレーニングの継続時間
トレーニングで有酸素運動を行うとしましょう。
有酸素運動によって生じるアフターバーン効果は、トレーニングに費やした時間や、トレーニングの強度に比例します。
単純に、トレーニングをより長く、よりハードに行うと、体はより多くのストレスにさらされることになり、そのためストレスから回復するのにより多くの時間と労力がかかる=運動後のエネルギー消費が大きい、ということになります。
上記の例は、アフターバーン効果について行われた最初の研究のうちの1つによって証明されています。
この研究では、事前に決められた最大VO2(酸素摂取量)の30%、50%、75%の強度で合計80分間、サイクリングをして比較をしました。
(Bahr, 1991)
アフターバーン効果は75%の強度で運動を行ったグループで最も顕著であり、アフターバーン効果は10時間以上続き、余分に150kcalが消費されました。
しかし、日々の運動で80分もの時間を費やすのは
忙しい現代人にとってはなかなか現実的ではありません。
そこで、高強度インターバルトレーニング(HIIT)についてご紹介します。
高強度インターバルトレーニング(HIIT)の効果
高強度インターバルトレーニング、ハイインテンシティインターバルトレーニング(HIIT)の定義とは、「無酸素性閾値を超える強度で10秒から5分間続く運動を繰り返し、運動の間に休憩時間を挟むもの」となっています。
「無酸素性閾値を超える」とは、軽い運動から運動の強さが徐々に増していくとき、筋肉のエネルギー消費に必要な酸素供給が追いつかなくなり、有酸素運動から無酸素運動に切り替わり、血液中の乳酸が急激に増加し始める強度の値を指します。
つまり、一言でいうと「限界に近いレベルで行う高強度の運動」ということです。
研究によると、高強度インターバルトレーニングのアフターバーン効果は、トレーニング時間がはるかに短いにもかかわらず、定常状態の運動によって誘発されるアフターバーン効果よりも大幅に大きいことが示されています。
実際、最近の研究では、90%の最高速度で30秒間、その後に120秒間の軽いサイクリングを合計45分間続けるという単純なHIITプロトコルを実行すると、24時間にわたる低強度の有酸素運動よりも最大300kcal多く消費できることが示されています。
(Greer、2015)
つまり、有酸素運動に関して言えば、HIIT はトレーニング強度がはるかに高いため、アフターバーン効果がさらに大きくなります。さらに、従来の有酸素運動よりも時間がかからないことを考えると、この目的を備えた最も効果的な有酸素運動法と考えることができます。
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次回もアフターバーン効果を高める方法についてまとめた記事を投稿予定です。
参考文献リスト
今回の記事を書くにあたり参考にさせていただいたサイトです。
低頻度・高強度インターバルトレーニングがアスリートの高強度運動時の呼吸循環機能に及ぼす影響
厚生労働省e-ヘルスネット 健康用語辞典 無酸素性代謝閾値 / AT
Forever Fit Science 運動とアフターバーン効果
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