【アフターバーンを効果的に利用する(2)】ロングターム・ダイエット トレーニング編

美容・ダイエット

前回の内容のおさらい

  • アフターバーン効果…HIITなどの高強度エクササイズ後や無酸素運動後にも、体がエネルギー(カロリー)を燃焼し続ける現象
  • アフターバーン効果は、トレーニングに費やした時間や、トレーニングの強度に比例する。
  • 研究によると、HIIT(高強度インターバルトレーニング)は、短いトレーニング時間で大きなアフターバーン効果を発生させることができる。

ウェイトトレーニングの効果

HIITのほかにも、アフターバーン効果を高める方法があります。
それがウェイトトレーニングです。

アブローラーを使用して筋トレしている人の画像

ウェイトトレーニングとは、筋肉に重りや自重を用いて抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動を指し、レジスタンストレーニングと呼ばれることもあります。

ウエイトトレーニングは有酸素運動とは著しく異なりますが、筋肉組織にかかる負荷とストレスにより、かなりのアフターバーン効果が引き起こされることもわかっています。

研究によると、平均して1回のウェイトトレーニングでは、運動後約40時間エネルギー消費量が増加します。さらに、このエネルギー消費の増加は、この期間を通じて「通常」の値よりも約 10%大きくなる傾向があります。

(Laforgia、2006)

有酸素運動と同様に、運動強度もウェイトトレーニングにおけるアフターバーン効果にある程度の影響を与えるようであることに注意することも重要です。これは、より重い負荷を使用すると、軽い負荷よりも運動後のエネルギー消費が高くなるということを意味し、より強力なアフターバーン効果を示唆しています。

(Fatoros、2009)


また、ウェイトトレーニングを含む筋力トレーニングは、長期的な減量にも効果的です。

筋力トレーニングで筋肉が肥大化すると、「安静代謝率(RMR)」が増加します。
RMRとは、基礎代謝量に似たようなものなのですが、基礎代謝量が血液の循環や呼吸、体温維持、肌のターンオーバーなどで消費するエネルギー量を表す一方、RMRは、この基礎代謝量に加えて、座位を保つための筋骨格のエネルギーや、消化するためのエネルギーの一部を含めたエネルギー量です。
(RMRは、基礎代謝量の約1.2倍とされています)

RMRが増加することによって、長期的な脂肪の消費も増加させることができます。
ウェイトトレーニング、レジスタンストレーニングがRMRを増加させるのに有効だったということは、2020年7月に発表された、過去の論文18件を横断的に精査した研究により明らかになっています。

アフターバーン効果を高めるベストなトレーニングプログラム

上記のことや、前回の記事でご紹介した内容を踏まえ、アフターバーン効果を高めるためのベストなトレーニングプログラムを調べてみました。

  • 週2~3回を目安に取り組む
  • ウェイトトレーニング→HIITの順で取り組む
  • 終わった後はストレッチ、プロテイン補給

まず、ウェイトトレーニングやHIITを行うことで筋肉組織にかなりの負荷がかかり、回復にも時間がかかります。今までの情報から、運動後最大約2日間はエネルギー消費量が増加することを見込み、トレーニングの頻度としては週2~3回程度が適当と判断されます。何事も継続することが一番大切なので、無理に毎日こなそうとして挫折してしまうことのないよう、休憩の日は休憩の日と割り切って、メリハリをつけて取り組みましょう。

次に、トレーニングの順番についてです。
ウェイトトレーニング→HIITの順番で行う理由としては、それぞれのトレーニングの目的の違いにあります。

ウェイトトレーニングは、筋力の増加を目的として行うため、筋肉を限界まで追い込む必要があります。そのため、ウェイトトレーニングを行う前にすでに筋肉への疲労があると、エネルギーが不足し、限界まで追い込むことが出来なくなってしまいます。そのため、筋肉に疲労がない状態からトレーニングを始めるのが理想です。

HIITは心拍数を限界まで追い込み、脂肪燃焼や心肺機能の向上を目的としたトレーニングです。
ウェイトトレーニング後で筋肉に疲労があっても、HIITの動作は筋肉自体には軽い負荷しかかからないので、しっかりとトレーニングの効果を出す(心拍数を上げる)ことができます。

トレーニングの後は、使った筋肉をストレッチによりほぐすことで、怪我の防止をしたりリラックス効果を得ることができます。また、トレーニングを続けて行うと、筋繊維が傷つきます。筋繊維の回復のために、運動後30分以内に積極的にタンパク質を摂取するようにしましょう。運動後30分以内は体内の栄養吸収率が高まり、疲労回復と同時にタンパク質の合成をより促すという特徴があります。

おすすめのトレーニング動画

左の動画で下半身を結構使うので、この後にHIITを続けるのはきついかもしれません。
ご自身の体調に合わせて、休憩を挟む等適宜調節しながら行ってください。
一番大切なのは継続することです!

参考文献リスト

今回の記事を書くにあたり参考にさせていただいたサイトです。
Forever Fit Science 運動とアフターバーン効果
WHO 身体活動及び座位行動に関するガイドライン
e-ヘルスネット レジスタンス運動
THE CONVERSATION Resistance training: here’s why it’s so effective for weight loss

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